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『TO-Y』 トーイ・ニヤ・陽司・園子に会いたい

"十年以上前からでしょうか、私が学生だった頃に読んでいた漫画が新装版として続々と復活しています。

その新装版の中に高校生の頃に読んでいた上條淳士先生の『TO-Y』を発見しました。
内なる音楽の才能を秘めている「藤井冬威」ことトーイとビックスター「哀川陽司」とトーイの従兄妹でスーパーアイドル「森が丘園子」とトーイの追っかけ少女「山田二矢」たちが織りなす80年代後半の芸能界を舞台にした物語です。

極端な言い方になりますが、芸能人は才能を見出された玩具です。

主人公の名前「トーイ」は英語で言う「TOY(玩具)」に例えていると思います。

玩具が大衆から愛されるために大人たちは試行錯誤します。

そのおかげでトーイは歌手としてデビューするのですが、大人の思惑に翻弄されます。

それでもトーイの才能は輝きを増していきます。

陽司や園子は大人の手によって作り出されたアイドルですがトーイに触発され、この二人も既成概念に捕らわれないアーティストに変貌していきます。

ニヤは“歌っているトーイが好き”以外は掴みどころのない少女です。

しかし、芸能界の大人たちに翻弄されているトーイを一番心配していたと思います。

作中終盤でトーイと陽司はレコード大賞を抜け出し、大晦日の野外ライブに飛び入り参加します。

このシーンは限りなく幸福で、とっても最高です。

そのライブを観たニヤは歌っているトーイを心にとどめ、少女時代に別れを告げ旅立ちます。

私は園子が好きです。

 アイドルから脱皮したイイ女・園子は従兄妹であるトーイに想いを寄せています。

 肝心のトーイは園子に対しては家族愛のようなものしか抱いていないようです。

 届かぬ想いに涙する園子を見守る陽司がいつの間にかチャラ男からイイ男になっています。

トーイ・ニヤ・陽司・園子はそれぞれ旅立って行きましたが、また再び交差することを祈っています。

作中にあった園子の家に集まって大騒ぎするシーンが好きでした。